2026.01.15
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「役員報酬、いくらにしたらいいですか?」
創業1年目の経営者から、リゾルト税理士法人がいちばん多くいただく相談がこれです。
ネットで調べると「シミュレーションして決めましょう」と書いてある。確かにそうなのですが、私たちが実際の相談現場で感じるのは、経営者が本当に欲しいのは『数字』だけではないということです。
「この金額で本当に合ってるのか」「来年の事業計画とズレないか」「税務調査で否認されないか」——こういう不安に、ちゃんと答えてくれる相手が欲しい。
この記事では、役員報酬の基本ルールとシミュレーションの考え方を解説します。そして最後に、リゾルトが顧問先と実際にどんな対話をしながら最適解を見つけているか、具体的なやり取りもお伝えします。

役員報酬は、従業員の給与のように自由にいつでも変更できるものではありません。税法によって厳格なルールが定められています。
役員報酬の金額を決定、または変更できるのは、原則として新設法人の場合は「設立から3ヶ月以内」、既存法人の場合は「事業年度開始(期首)から3ヶ月以内」のみです。
この期間を過ぎてから金額を変更すると、増額した分が経費として認められなくなるため、期首のタイミングでの慎重な判断が求められます。
一度決めた役員報酬は、その事業年度が終了するまで「毎月同額」で支払い続ける必要があります。これを「定期同額給与」と呼びます。
「今月は利益が出たから増やそう」「資金繰りが苦しいから減らそう」といった安易な変更は、税務上の大きなリスクを伴うため、年間を通じた利益予測が不可欠です。
役員報酬を会社の損金(経費)として算入するためには、主に以下の条件を満たす必要があります。
これらのルールを逸脱すると、報酬を支払っているにもかかわらず経費として認められず、会社に多額の法人税が課されることになります。
このセクションのまとめ
ルールを逸脱すると、報酬が「経費(損金)」として認められなくなります。
会社と個人の手残り額を最大化する「最適解」を見つけるためには、事前のシミュレーションが極めて重要です。
役員報酬を高く設定すれば、確かに会社の法人税は減ります。しかし、個人の所得税は累進課税のため、所得が高くなるほど税率が跳ね上がります。
さらに、社会保険料の負担(会社負担分+個人負担分)も増大するため、トータルで見ると「税金と保険料を払うために働いている」ような状態に陥り、会社に資金が残らなくなります。
逆に役員報酬を低く抑えすぎると、会社の利益が膨らみ、法人税の負担が重くなります。
個人としての生活費が不足するだけでなく、会社に利益が残りすぎることで、将来的にその資金を個人に移動させる際、再び高い税率の壁に突き当たることになります。
このセクションのまとめ
設定の仕方一つで、実際に手元に残る金額には数百万円単位の差がつくことがあります。
例えば、会社の利益(報酬支払い前)が1,000万円の場合、役員報酬を400万円にするか800万円にするかで、会社と個人の合計手残り額は大きく変動します。
社会保険料の等級や法人税の実効税率を考慮すると、ある一定のラインで「最も税負担が軽くなるポイント」が存在します。これを計算抜きで見極めるのは困難です。
配偶者や親族を役員として迎え、報酬を分散させる「所得分散」は非常に有効な節税策です。
一人が1,000万円の報酬を受け取るよりも、二人で500万円ずつ受け取る方が、累進課税の影響を抑えられ、世帯全体の手残り額を大幅に増やすことが可能です。ただし、勤務実態のない役員に対する報酬は違法となるため、実態に合わせた設計が必要です。
毎月の給与とは別に、特定の時期に支払う賞与を「事前確定届出給与」として税務署に届け出ることで、経費化が可能になります。
毎月の固定費としての報酬は抑えつつ、決算期の利益状況を見越して賞与を設定することで、資金繰りの柔軟性を保ちながら高い節税効果を得ることができます。
このセクションのまとめ
金額を決定する際には、税金以外の中長期的なリスクも考慮しなければなりません。
役員報酬は、利益に関わらず毎月発生する固定費です。
利益予測が外れて赤字に転落した場合でも、一度決めた報酬は簡単に下げられません。役員報酬の支払いによって会社が資金ショートを起こさないよう、現実的な設定が求められます。
節税のために役員報酬を極端に低く設定すると、将来受け取れる厚生年金の額が少なくなります。
また、個人として住宅ローンや自動車ローンの融資を受ける際、報酬額が低いと審査に通らなくなるリスクもあります。将来のライフプランを見据えたバランス感覚が重要です。
同業他社や同規模の会社と比較して、役員報酬が明らかに高すぎる場合、税務署から「不当に高額な役員報酬」として否認されることがあります。
否認されると、経費として認められず、過去に遡って多額の追徴課税が発生する恐れがあります。妥当性を説明できる根拠(議事録等)を備えておく必要があります。
このセクションのまとめ
役員報酬の最適化は、パズルのように複雑です。専門家の力を借りるべき理由を解説します。
社会保険料は、給与額に応じた「等級」によって細かく決まっており、さらに会社負担分も含めた計算が必要です。
税理士は、所得税・住民税・法人税・社会保険料の4つを同時にシミュレーションし、これらを合算した「実質的な負担率」が最小になるポイントを正確に導き出します。
経営者が見込んでいる年間の売上目標から、発生しうる経費を差し引き、逆算して「今、いくらの報酬を設定すべきか」をアドバイスできます。
この「先読み」のシミュレーションがあることで、決算直前に慌てて対策を練る必要がなくなり、安定した経営が可能になります。
税制は毎年変わります。基礎控除の拡充や社会保険料率の改定など、最新の情報を反映させなければシミュレーションの精度は落ちてしまいます。
常に最新の法令を熟知している税理士に依頼することで、現時点で最も有利な選択を自信を持って行うことができます。
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(関連記事:一人法人の節税ガイド!手残りを最大化する具体的な手法と注意点)
【リゾルトの視点】
役員報酬の相談で、必ず聞き返すこと
「役員報酬いくらにしたらいいですか?」と相談を受けた時、リゾルトでは数字を答える前に、必ずこう聞き返します。
「来年と再来年の事業計画、どんなイメージで描いてますか?」
役員報酬は1年間動かせない固定費です。今年の節税だけで決めると、来年の成長フェーズと噛み合わなくなる可能性があります。
例えば、今年の利益で考えれば月50万円が最適でも、来年人を採用して資金繰りがタイトになる予定なら、あえて月40万円に抑えて会社にキャッシュを厚く残す判断もあります。
数字の最適化はAIや計算ツールでもできる時代です。でも「経営判断としての役員報酬」を一緒に考えるのは、顧問税理士にしかできない仕事だと、リゾルトでは考えています。
ここまで読んでも、自分のケースに当てはめると、まだ不安が残る——そう感じる方も多いと思います。
役員報酬の最適解は、事業計画・家族構成・将来の融資予定・社会保険料の細かい等級まで含めた個別判断が必要です。
リゾルト税理士法人では、創業期の経営者を中心に、全顧問先の84.6%がスタートアップ企業。「決算料0円」「30代中心の即レス対応」「マネーフォワード特化」で、創業フェーズの不安に並走します。
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