2026.05.11
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個人事業主から法人化(法人成り)を検討する際、経営者が最も頭を抱える問題が「社会保険料」です。
法人税や所得税の節税メリットばかりに目が行きがちですが、法人になると社会保険料の負担が劇的に増すケースが多々あります。
「税金は安くなったけれど、社会保険料の支払いで手元の現金が全く残らない」という失敗は、法人化の代表的な落とし穴です。
事業を安定して成長させるためには、法人化に伴う社会保険料のリアルな負担額を事前に知っておくことが不可欠です。
本記事では、役員報酬に応じた社会保険料の具体的なシミュレーションから、負担を適正に抑える役員報酬の設定方法、そして税理士によるトータル試算の重要性までを徹底解説します。
(関連記事:役員報酬とは?設定するためのポイントや届出の方法、注意点について解説)

法人化すると、保険の仕組みそのものが個人事業主時代からガラリと変わります。
まずは、法人が負担する社会保険の基本的なルールと、実際の負担額の目安を把握しましょう。
法人は、法律によって社会保険(健康保険・厚生年金保険)への加入が強制義務とされています。
これは従業員を雇っている場合だけでなく、社長一人の法人(一人法人)であっても加入が必須です。
社会保険料の最大のポイントは、会社と個人で保険料を「半分ずつ(労使折半)」負担するという仕組みです。
個人としての支払いは給与天引きで半分になりますが、会社側も同額を負担するため、経営者という立場から見れば、実質的に全額を自分が支払っているのと同じことになります。
具体的に社会保険料がいくら発生するのか、役員報酬の月額別に目安を計算してみましょう。
※金額は40歳以上(介護保険料あり)、東京都の協会けんぽ(2026年度目安)を想定した概算です。
報酬が上がるにつれて負担額も重くなり、月80万円の報酬を取ると年間で約300万円近い社会保険料が手元から消えていく計算になります。
法人化のシミュレーションを行う際は、この「見えない莫大なコスト」を必ず資金繰りに組み込まなければなりません。
個人事業主のときは「国民健康保険」と「国民年金」に加入し、保険料は全額自己負担でした。
法人化して社会保険に切り替わると、支払うトータルの金額は上がるケースが大半です。
しかし、社会保険には国民健康保険にはない、強力なメリットが存在します。
目先の支払額が増えるのは事実ですが、将来の安心や万が一の保障を会社のお金で買っていると考えれば、一概にデメリットばかりとは言えません。
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※社会保険料の具体的な負担額は、役員報酬の月額によって大きく変動します。

社会保険料は労使合計で報酬の約30%にも達するため、少しでも負担を抑える工夫が必要です。
保険料を適正化する、役員報酬の設計ノウハウを解説します。
社会保険料は、給与の1円単位で計算されるわけではなく、「標準報酬月額」という区分(等級)に当てはめて計算されます。
この等級の境目を意識するだけで、年間の保険料を節約できることがあります。
たとえば、報酬が月額50万円の場合と、月額51万円の場合では、等級が1つ上がり、保険料が月額数千円跳ね上がる境界線が存在します。
ギリギリで上の等級に入ってしまう設定を避け、手残りが最も多くなる「等級の壁の少し下」を狙って役員報酬を決めるのが賢い戦略です。
毎月の役員報酬を低く抑え、残りを「役員賞与」としてまとめて受け取る方法も、保険料対策として非常に有効です。
役員賞与を会社の経費にするためには、事前に税務署へ「事前確定届出給与」として申請しておく必要があります。
ただし、支払日や金額を1円でも間違えると経費として認められず、多額の税金が発生するリスクがあるため、支払日や金額は厳格に管理しておく必要があります。
配偶者や親族を役員として迎え入れ、報酬を分散させる「所得分散」も効果的な手法です。
社会保険は、勤務時間が少ない「非常勤役員」であれば、加入義務が発生しない場合があります。
社長一人が高額な報酬を受け取って高い保険料を払うよりも、実態のある業務を行う家族に報酬を分散させます。
そうすることで、加入義務を回避しつつ世帯全体の手残りを増やし、所得税の累進課税も同時に抑えることが可能です。
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社会保険料の負担は大きく、役員報酬の設計は会社の資金繰りや個人の手残りに直結する重要な経営戦略です。

社会保険料の支払いは大きな痛手ですが、法人にはそのダメージを和らげる仕組みが用意されています。
社会保険料の最大の特徴は、会社が負担した金額が「法定福利費」として、会社の経費(損金)に全額算入できる点です。
たとえば、会社が年間100万円の社会保険料を負担した場合、その100万円分だけ会社の利益が減ることになります。
利益が減れば、その分だけ計算のベースとなる法人税も安くなります。
実質的な負担額は「支払った社会保険料の額 − 安くなった法人税の額」となるため、額面通りに損をしているわけではありません。
社会保険料の対象となる「役員報酬」の額自体を抑えつつ、別の形で会社から個人へお金を移す方法が最強の節税策です。
これらの制度を活用すれば、個人の手取り額は維持したまま、社会保険料の計算ベースとなる役員報酬を下げることができます。
結果として、社会保険料の負担と税金をダブルで削減し、最も効率よく資産を築くことが可能になります。
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法人負担の社会保険料
会社の経費(損金)に全額算入が可能。
利益が減り、その分法人税も安くなる。
実質的な負担額は「支払額 − 法人税減額分」。
手残り最大化戦略
役員報酬を抑えつつ、
会社から個人へお金を移す。
例:社宅制度、旅費規程の活用。
※ 各種規程の導入・活用には、専門家への相談が不可欠です。

法人化の成功は、税金と社会保険料の緻密なバランス計算にかかっています。
これを経営者自身がExcel等で正確に計算するのは、現実的に不可能です。
「税率だけを見れば、今すぐ法人化したほうがお得だ」という安易な判断は会社を滅ぼします。
所得税や法人税の差額だけで節税できた気になっていても、後から社会保険料の会社負担分がのしかかり、結果的に会社の資金繰りが赤字に転落するケースが後を絶ちません。
税理士は、「法人税」「個人の所得税・住民税」「社会保険料(労使合計)」のすべてを合算し、本当に手元にお金が残るのかを客観的な数字で証明します。
社会保険の保険料率や等級のルールは、毎年のように細かく改定されています。
インターネット上の古い記事や、簡易的なシミュレーションツールでは、2026年現在の最新の保険料率を正確に反映できていないことが多々あります。
常に最新の法改正情報をアップデートしている税理士に依頼することで、設立直後から寸分の狂いもない資金繰り計画を立てることができます。
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法人化の落とし穴
税金だけでなく、社会保険料の会社負担を合算しないと資金繰りが赤字になるリスク。税率だけでの安易な判断は危険です。
プロによる正確な試算
税理士は法人税、個人の所得税・住民税、社会保険料(労使合計)全てを合算し、手元に残るお金を証明。2026年度の最新料率に基づき、毎年改定されるルールも正確に反映します。
※経営者自身で社会保険料を含めたトータルコストを正確に計算するのは現実的に不可能です。
(関連記事:法人化は年収いくらからがお得?手残りシミュレーションと損しない判断基準)
(関連記事:役員報酬はどうやって決めたらいい?シミュレーションや手残りを最大化する方法もご紹介)
法人化すると、社会保険料の負担は避けて通れない大きな壁として立ちはだかります。
役員報酬が月額50万円であっても、年間約180万円という莫大な金額が社会保険料として消えていきます。
しかし、社会保険料の会社負担分は全額経費になるというメリットや、将来の年金受給額が増えるというプラスの側面も忘れてはいけません。
重要なのは、社会保険料の負担を正しく恐れ、役員報酬の調整や社宅制度の活用など、合法的な節税策とセットで設計することです。
「自分の年収で法人化すると、社会保険料はいくら増えるのか」「税金と合わせて本当にプラスになるのか」とお悩みの方は、リゾルト税理士法人にご相談ください。
見えないコストの不安を払拭し、自信を持って法人化という新たなステージへ進むためのサポートはお任せください。
まずはお気軽にご相談いただけたらと思います。
この記事でわかること
法人化を検討するなら
法人化は社会保険料の負担増を伴う一方で、節税や事業拡大のメリットもあります。
重要なのは、社会保険料と法人税を総合的に考慮し、トータルの手残りを最大化する戦略を立てることです。
専門家(税理士)に相談し、個別の状況に合わせた試算と具体的な対策を検討することが、後悔のない法人化へと繋がります。

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