2025.10.27
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株式会社を設立する際、「結局いくらかかるのか?」という疑問を持つ方は少なくありません。
設立の際には会社の登記だけでなく、公証役場での定款認証費用や登録免許税、法人印の作成費用など、初期費用は多岐にわたります。
また、設立後も税金や社会保険料、士業への報酬といったランニングコストが発生します。
本記事では、株式会社設立にかかる代表的な費用の内訳から、合同会社との違い、さらに設立後に必要な維持費用までをわかりやすく解説します。これから法人化を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

株式会社を設立する際には、さまざまな費用が発生します。
単に登記するだけでなく、書類作成や印鑑の作成、専門家への依頼など、事前にしっかりと把握しておくことで予算計画を立てやすくなるでしょう。
ここでは、株式会社を設立する際に必要な主な費用項目について詳しく解説します。
株式会社を設立する場合、定款の認証が必要になります。
紙の定款であれば印紙税として4万円が課税されますが、電子定款を利用することでこの印紙代は不要になります。
これ以外にも、公証役場での認証手数料として約5万円、謄本取得費用として2,000円程度がかかります。
つまり、電子定款を利用した場合でも、トータルで約5〜6万円は見積もっておく必要があるでしょう。
会社を法務局に登記する際には、「登録免許税」が発生します。
株式会社の設立登記時の登録免許税は、資本金の額の0.7%または15万円のいずれか高い金額が適用されます。
例えば、資本金が1,000万円の場合は、1,000万円×0.7%=7万円であり、15万円を下回ることから、登録免許税は15万円になります。資本金が3,000万円の場合は、3,000万円×0.7%=21万円であり、15万円を上回ることから、登録免許税は21万円になります。
このように、株式会社を設立する場合、登録免許税は最低でも15万円必要になることから、、会社設立の中でも大きな出費項目のひとつと言えるでしょう。
会社を設立する際には、「会社実印」「銀行印」「角印」などの法人用印鑑を用意する必要があります。
一般的には3点セットで注文されることが多く、素材やデザインによって費用は異なりますが、相場としては5,000円〜20,000円程度でしょう。
行政手続きや契約書に使用する重要なハンコのため、信頼性のある業者に依頼するのが望ましいでしょう。
設立手続きを自分で行うことも可能ですが、手続きの正確性や時間効率を重視する場合は、司法書士や行政書士などの専門家に依頼するケースも多いでしょう。
依頼費用は事務所やサービス内容によって異なりますが、5万円〜15万円程度が相場です。定款の電子化や登記書類の作成をサポートしてもらえるため、初めての設立で不安がある場合には有効な選択肢と言えます。
資本金は、会社経営の元手となる資金です。現在は1円からでも株式会社を設立できますが、実態のある会社として信用を得るためには、少なくとも100万円前後の資本金を用意するのが一般的です。
資本金は設立時の自己資金として扱われ、設備投資や仕入れ、家賃、広告費などの支払に充てられるため、事業計画に基づいて慎重に設定しましょう。
なお資本金の平均相場は、国内の中小企業や新設法人を中心に見ると、300万〜500万円あたりが最も多く見られます。
会社の資本金について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

会社を設立する際には、株式会社だけでなく合同会社(LLC)という選択肢もあります。
両者には設立費用や登記手続き、運営方法などに違いがあり、自社のビジネスモデルや将来展望に応じた選択が重要です。
株式会社を設立する場合、定款認証費用や登録免許税、印鑑作成費などを含めて、最低でも20万円〜25万円程度の費用がかかります。
さらに専門家に依頼すれば、総額で30万円を超えることもあるでしょう。
しかし、費用が高くなる分、株式会社の対外的な信頼性は高くなる傾向にあり、資金調達や人材確保などの面で有利になるケースが多いです。
合同会社は、定款の認証が不要なため設立費用を株式会社と比較して抑えることが可能です。
また、登録免許税も最低6万円と、株式会社の最低15万円と比べて低くなります。
印鑑作成費用などを含めても、10万円以内で設立できることもあります。
ただし、社会的な認知度や信頼性で株式会社に劣るため、費用面から安易に合同会社を選択することは避けるべきと言えます。

会社は設立して終わりではありません。設立後も継続的にかかる費用があるため、資金計画にはその分も含めて考える必要があります。
主に税金や社会保険料、専門家への報酬などが挙げられます。
法人は、設立後に法人税・消費税などの納税義務が生じます。
特に「均等割」という赤字でも必ずかかる税金がある点に注意が必要です。資本金や従業員数によっても税額が異なります。たとえば、資本金1,000万円以下で従業員50人以下の場合、均等割は年間7万円程度となるのが一般的です。
法人として従業員や役員に給与を支払う場合、厚生年金や健康保険などの社会保険への加入が義務付けられます。
保険料は会社と従業員が折半する形で支払われ、企業負担分も経費となります。
例えば年収400万円の従業員1人を雇用した場合、会社の負担は年間約60万円前後になるケースもあり、無視できないコストと言えるでしょう。
設立後の記帳や決算、給与計算や労務管理などは専門家に外注するケースが多く、それぞれに報酬が発生します。
税理士の顧問料は月2万円〜5万円程度、社労士は給与計算で1人あたり1,000円前後、弁護士はスポットでの相談でも1万円〜が相場です。業務効率化やトラブル回避のため、これらの外注費用も経費として考慮しておくと安心です。

株式会社の設立には、初期費用として20万円〜30万円程度、その後も税金・社会保険・専門家報酬など継続的なコストが発生します。
費用を抑えたい場合は合同会社という選択肢もありますが、信頼性や資金調達のしやすさを重視するなら株式会社が有利です。自社の事業規模・計画・目的に合わせて最適な形態を選び、継続的なコストも含めて準備しましょう。
株式会社設立や資金計画に不安がある方は、ぜひリゾルト税理士法人までご相談ください。設立手続きから節税・経理・資金調達まで、ワンストップで丁寧にサポートいたします。
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