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個人事業主と法人の違いを解説!法人化のメリットと判断基準もご紹介

2026.01.12

事業を運営する上で、避けて通れないのが「個人事業主」と「法人」という事業形態の選択です。

個人事業主として順調に売上を伸ばしていくと、多くの経営者が「いつ法人化すべきか」という悩みに直面するでしょう。

個人と法人では、税金の仕組みから社会保険の負担、さらには倒産時の責任範囲まで、あらゆる面で明確な違いが存在します。

本記事では、個人事業主と法人の具体的な違いを整理し、法人化することで得られるメリットや注意点、そして失敗しないための検討タイミングを詳しく解説します。

個人事業主と法人の違いとは?

まずは、経営に直結する根本的な違いについて、4つの視点から比較します。

税金の種類と税制の違い

個人事業主には「所得税」が課され、法人には「法人税」が課されます。

  • 個人事業主(所得税):所得が増えるほど税率が上がる累進課税です。最高税率は45%に達し、住民税や個人事業税を合わせると所得の約半分が税金となるケースもあります。
  • 法人(法人税):所得に対して税率は概ね一定で、実効税率は約25〜30%程度に収まるのが一般的です。

この税率差を活かし、所得が高い場合に法人税を選択することが節税の基本となります。

社会保険の加入義務と負担額の違い

健康保険や年金制度の仕組みも大きく異なります。

  • 個人事業主:原則として国民健康保険と国民年金に加入します。保険料は全額自己負担です。
  • 法人:役員一人であっても社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が義務付けられます。

法人の場合、保険料は「会社と個人で折半」して負担します。会社としての支出は増えますが、将来受け取る年金額や保障の手厚さは、社会保険の方が有利になる傾向があります。

事業主の責任範囲の違い

万が一、事業が立ち行かなくなった際の「責任の取り方」に決定的な違いがあります。

  • 個人事業主:「無限責任」を負います。事業上の借金は個人の借金と同じであり、個人の私有財産を投げ打ってでも返済しなければなりません。
  • 法人:原則として「有限責任」です。出資者は出資した金額の範囲内でのみ責任を負えばよく、個人の資産まで差し押さえられることはありません。

ただし、中小企業の融資において経営者が連帯保証人になっている場合は、実質的に無限責任に近い状態になる点には注意が必要です。

経費計上が認められる範囲の違い

法人の方が、経費として認められる項目の幅が格段に広くなります。

  • 個人事業主:事業主本人への給与や退職金を経費にすることはできません。
  • 法人:経営者本人に支払う「役員報酬」や「役員退職金」を経費として計上可能です。

さらに、社宅制度の活用や、一定の生命保険料を経費化できるなど、法人ならではの経費計上が可能になります。

法人化(法人成り)することで得られる主なメリット

個人から法人へ切り替えることで、節税以上のメリットが得られます。

法人化のメリットについてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

節税効果を得られる

法人化の最大のメリットは、役員報酬を経費にできる点です。

所得を「法人」と「経営者個人」に分散させることで、全体の税率を下げ、トータルの納税額を大幅に圧縮できます。家族を役員にして報酬を分散させれば、さらなる節税も期待できます。

最大10年間の欠損金の繰越控除ができる

事業で赤字(欠損金)が出た場合、その赤字を翌年以降の利益と相殺できる制度があります。

  • 個人事業主:繰越期間は最長3年です。
  • 法人:繰越期間は最長10年です。

これにより、大きな投資を行った年度の赤字を、将来の利益が出た際の税金負担を軽減するために活用できます。

社会的信用力が上がる

法人は法務局に登記され、組織の概要が公的に証明されているため、個人事業主よりも高い信用を得られます。

大手企業との取引条件として「法人であること」が求められるケースは少なくありません。また、従業員の採用においても、社会保険を完備している法人は安心感を与え、優秀な人材が集まりやすくなります。

納税タイミングをコントロールできる

個人事業主の決算は12月末と決まっていますが、法人は「決算期」を自由に設定できます。

売上が集中する時期を期首に持ってくることで、余裕を持って節税対策を練ることが可能です。また、役員報酬の額を期首から3ヶ月以内に設定することで、1年間の利益予測に基づいた戦略的な納税計画が立てられます。

法人化に伴うデメリットと注意点

メリットだけでなく、コストや手間の増加についても正しく理解しておく必要があります。

設立費用と維持コストが発生する

株式会社を設立するには、登録免許税や定款認証費用などで約20〜25万円の初期費用がかかります。

また、決算公告の費用や税理士報酬など、年間を通じた維持コストも個人事業主時代より高くなるのが一般的です。

株式会社の設立費用について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

赤字でも法人住民税の均等割が発生する

個人事業主は所得がなければ住民税(所得割)はかかりませんが、法人は異なります。

たとえ赤字であっても、法人住民税の「均等割」として、毎年最低約7万円を納めなければなりません。これは「地域に会社が存在すること」に対して課される税金です。

社会保険料が会社負担になる

社会保険の加入はメリットである一方、会社側での保険料負担は資金繰りを圧迫する要因にもなります。

役員報酬を高く設定しすぎると、会社が負担する社会保険料も高額になるため、所得税・法人税の削減額と社会保険料の増加額を慎重に比較検討しなければなりません。

会計・事務手続きが複雑化する

法人は「複式簿記」による正確な会計処理が求められ、作成すべき書類の量も個人事業主と比べて多くなる傾向があります。

株主総会の議事録作成や役員の登記更新など、会社法に関連する事務作業も発生します。これらを経営者一人でこなすのは難しく、専門家のサポートが不可欠になります。

個人事業主が法人化を検討すべきタイミング

法人化に最適なタイミングは、売上高や利益の額だけで決まるものではありません。

一般的には「利益が900万円を超えた時」や「消費税の課税事業者になる時」が目安とされますが、インボイス制度への対応や事業拡大のスピードによっても異なります。

ご自身の状況に合わせて、以下の記事で詳細なタイミングを確認してみてください。

「税理士によるシミュレーション」が必要な理由

「所得が〇〇万円なら法人化すべき」という基準は、あくまで一般論に過ぎません。

失敗しない法人化のためには、専門家による個別のシミュレーションが不可欠な理由を解説します。

家族構成や生活費を含めた「実質的な手残り額」を算出できる

税理士は、単に税率を比較するだけでなく、配偶者控除や扶養控除、役員報酬のバランスを考慮した「経営者一族としての手残り額」を算出します。

生活に必要な資金を確保しつつ、最適な税負担となるような報酬設計を提案できるのが強みです。

インボイス制度や最新の税制改正を反映した正確な判断が可能

税制は頻繁に改正されます。特にインボイス制度の導入以降、消費税の負担構造は劇的に変化しました。

最新の法令に基づき、免税事業者のままでいるべきか、課税事業者として法人化すべきかを精査することで、数年後のキャッシュフローに大きな差が生まれます。

法人化のコスト(税理士報酬等)を差し引いてもプラスになるか確認できる

法人化すると、確かに税率は下がりますが、事務コストや社会保険料は増えます。

「節税できた額」よりも「増えたコスト」が上回ってしまっては意味がありません。シミュレーションを行うことで、諸経費を差し引いてもなお法人化する価値があるのかを、客観的な数値で判断できます。

まとめ

個人事業主と法人の違いは、単なる「呼び名の違い」ではなく、経営のルールそのものの違いです。

法人化によって得られる節税メリットや社会的信用は非常に魅力的ですが、それには維持コストや事務負担という責任も伴います。

大切なのは、「いつ、どのような形で法人化するのが、あなたの事業にとって最も有利か」を事前に見極めることです。

リゾルト税理士法人では、法人化を検討されている個人事業主様のために、現状の収支に基づいた詳細なシミュレーションを実施しております。

複雑な設立手続きから、設立後の戦略的な税務サポートまで、トータルでお力添えいたします。

まずはお気軽にご相談いただけたらと思います。

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