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個人事業主と株式会社の違いを徹底比較!事業形態選びのポイントもご紹介

2026.01.03

事業を始める際、または事業規模の拡大を検討する際に、多くの経営者が直面するのが「個人事業主」と「株式会社」のどちらを選ぶべきかという問題です。

選択した事業形態は、税金、負うべき責任、社会的な信用力、将来の事業展開にまで大きな影響を及ぼします。

「初期費用を抑えたい」「節税したい」「大きな融資を受けたい」など、事業のフェーズや目的によって最適な選択肢は異なります。

本記事では、個人事業主と株式会社の定義から、税務、責任、運営コストに至るまで、両者の違いを徹底的に比較し、あなたの事業に最適な選択肢を見つけるための重要なポイントを解説します。

この記事を読んでわかること

  • 個人事業主と株式会社の定義と根本的な性質の違い
  • 税率・経費・社会保険など「お金」に関する損得勘定
  • 社会的信用や負債リスク(無限・有限責任)の差
  • 設立費用や年間維持コスト、運営の手間を徹底比較

個人事業主と株式会社の違い

まず、個人事業主と株式会社の定義や性質を確認しましょう。

個人事業主の定義

個人事業主とは、法人を設立せず、個人として事業を営んでいる人を指します。

税法上は、事業所得を計算し、所得税を納税します。

事業の主体はあくまで「個人」であり、法律上、事業主個人と事業そのものは区別されません。

行政手続きが簡単で、税務署へ開業届を提出するだけで事業を始められる点が大きな特徴です。

株式会社の定義

株式会社とは、出資者(株主)が負う責任が出資額までに限定される(有限責任)、法人格を持つ会社形態です。

会社そのものが法律上「人」と同じように権利や義務を持つ法人として認められます。

所有者(株主)と経営者(取締役)が分離している点が特徴ですが、中小企業では株主=経営者となるケースが一般的です。

法人登記が必要であり、社会的な信用力を得やすい形態です。

このセクションのまとめ

個人事業主 事業主=自分
手続きが非常に簡易
株式会社 会社=「法人」
登記が必要な組織体

行政手続きの手軽さか、独立した組織としての法人格かの違いです。

税務・財務面での違い

税金や社会保険料の負担構造は、事業形態によって最も大きく異なります。

これが個人事業主が法人化(法人成り)を検討する最大の理由となることが多いです。

適用される税率

  • 個人事業主: 所得税が適用されます。所得が増えるほど税率が上がる累進課税で、最高税率は45%です。さらに住民税や事業税なども加算されます。
  • 株式会社: 法人税が適用されます。所得が大きくなっても税率の変動が所得税より緩やかで、実効税率は約20%〜30%程度です。

一般に、事業所得が約800万円を超えると法人税率の方が有利になるケースが多いです。所得規模に応じて税理士にシミュレーションを依頼することが重要です。

経費として認められる範囲

  • 個人事業主: 経費として認められる範囲が比較的狭いです。例えば、事業主本人への給与や退職金は経費にできません。
  • 株式会社: 経費として認められる範囲が広いです。役員報酬、役員退職金、生命保険料の一部などを経費に計上できるため、節税の選択肢が増えます。

法人化することで、個人の所得を抑えつつ、会社の経費を増やすという、個人事業主では不可能な節税も可能となります。

社会保険と厚生年金の負担構造

  • 個人事業主: 原則として国民健康保険と国民年金に加入します。保険料は全額個人負担です。
  • 株式会社: 役員も含め、原則として社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が義務です。保険料は会社と個人で半分ずつ負担します。

会社負担分が発生するためトータルの支出は増えますが、従業員の採用面で有利になるほか、将来の年金受給額は厚生年金の方が有利になることが多いです。

資金調達における選択肢

  • 個人事業主: 資金調達は主に金融機関からの融資や、自己資金に頼ることになります。
  • 株式会社: 融資に加え、株式を発行することで、不特定多数の投資家から広く資金を調達する選択肢があります。

将来的にベンチャーキャピタルなどからの大規模な出資を検討している場合は、株式を発行できる株式会社形態を選ぶことが必須となります。

このセクションのまとめ

  • 所得税 vs 法人税:所得約800万円が法人化の検討目安。
  • 経費:法人は役員報酬や退職金など節税の幅が広い。
  • 社保:法人は加入義務あり。負担増だが採用や将来の年金で有利。
ポイント:節税メリットだけでなく、社会保険料の会社負担分を含めたトータルコストのシミュレーションが不可欠です。

責任と社会的信用力による違い

事業を継続する上で、万が一の事態に対する責任範囲と、取引における信用力は非常に重要な要素です。

事業主の負債責任の範囲

  • 個人事業主: 事業上の借金や損失について、無限責任を負います。事業と個人の財産が区別されず、全財産をもって返済義務を負います。
  • 株式会社: 出資者(株主)は、有限責任を負います。会社の負債について、出資した金額以上の責任を負う必要はありません。

負債リスクを限定し、個人の財産を事業の失敗から守るという点で、有限責任は法人化する最大のメリットの一つです。

社会的な信用度への影響

  • 個人事業主: 信用度は事業主個人の信用に依存します。
  • 株式会社: 設立登記や財務情報が公開されるため、一般的に個人事業主よりも社会的な信用力が高いと見なされます。

この信用度の高さは、金融機関からの融資審査や、大手企業との取引を有利に進めるための強力な武器となります。特に企業の信頼性を重視するBtoBビジネスでは重要です。

事業承継と株式の役割

  • 個人事業主: 事業承継は複雑になりがちで、後継者への資産や契約の名義変更などが必要です。
  • 株式会社: 会社そのものに法人格があるため、株式を移動させることで、経営権と所有権をスムーズに後継者に承継できます。

長く事業を続け、スムーズな世代交代を目指すのであれば、株式を活用できる株式会社の仕組みが非常に有効です。

このセクションのまとめ

負債の責任 無限責任
(個人資産も対象)
負債の責任 有限責任
(出資額の範囲内)

信用度: 法人はBtoB取引や金融機関の審査で圧倒的に有利。
承継: 株式の譲渡により、スムーズな世代交代が可能。

会社設立と運営にかかる手続きと費用の違い

事業形態によって、事業を始める際と、その後の維持にかかる手間とコストが大きく異なります。

設立登記の必要性

  • 個人事業主: 必要な手続きは、税務署への「開業届」の提出のみであり、登記は不要です。
  • 株式会社: 法務局での設立登記が必須です。この登記をもって会社が成立します。

登記の有無は、手続きの煩雑さだけでなく、法的な社会信用力の差にも直結します。

設立費用

  • 個人事業主: 開業届の提出に費用はかからず、特段の費用負担なしに事業を開始できます。
  • 株式会社: 定款認証手数料や登録免許税など、設立に約20万円〜25万円(電子定款利用時)の費用がかかります。

設立時の初期費用を抑え、まずは事業のテストマーケティングから始めたい場合は、個人事業主が適しています。

年間維持費

  • 個人事業主: 株式会社より低い傾向があります。
  • 株式会社: 法人住民税の均等割(最低約7万円)が赤字でも毎年課税されるため、維持コストがかかります。

毎年の事業利益が少ない場合や、赤字が続く見込みの場合は、均等割の負担がない個人事業主の方が有利になることが多いです。

運営・維持にかかる労力

  • 個人事業主: 経理処理は比較的シンプルで、手続きにかかる労力が少ないです。
  • 株式会社: 法律で義務付けられた株主総会の開催や、より複雑な法人税申告が必要となるため、運営・維持にかかる労力は大きくなります。

複雑な法人運営に労力を割くことが難しい場合は、税理士や社労士といった専門家にアウトソーシングすることを検討すべきです。

このセクションのまとめ

設立費用 個人:0円
法人:約20〜25万円
維持費(赤字時) 個人:なし
法人:約7万円〜

※法人は会計処理や株主総会の開催など、事務的な労力も増加します。

まとめ

個人事業主は「手軽さとシンプルさ」、株式会社は「信用力と節税、事業の永続性」に優れていると言えます。

どちらの形態が最適かは、事業所得の規模、今後の拡大目標、負債リスクへの考え方によって変わります。

事業形態の選択は、将来の税負担や経営の自由度を大きく左右する重要な決断です。

「法人化の最適なタイミングはいつか」「設立後の税負担をどう最適化すべきか」など、お悩みの際はリゾルト税理士法人にご相談ください。

お客様の事業計画に基づき、最適な法人化のシミュレーションと、税務上のメリットを最大化するためのアドバイスをご提供いたします。

まずはお気軽にご相談いただけたらと思います。

どちらを選ぶべきかの最終チェック

個人事業主が向いている人

  • まずは手軽にビジネスを始めたい
  • 初期費用や維持コストを最小限にしたい
  • 所得規模がまだ小さい

株式会社が向いている人

  • 大手との取引や採用を強化したい
  • 節税メリットを最大限活かしたい
  • 所得が800万円を超える見込みがある

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